■
私の兄弟、愛犬が亡くなった。
すっ、と彼は去って行った。
雪の降る日で、いつも通りお世話して、母さんとお世話して、
口が動いているのを私が見て、それが最後だった。
彼とは4歳からの仲で、庭で私がレジャーシートを広げると、駆け寄って乗ってきたのをよく覚えている。一緒に寝っ転がって、日向ぼっこしたね。
小学1年生、犬小屋の上に飛び乗るのを友達に自慢したのも覚えている。
たわしが好きで、よく脱走してたこともあった。
でも、中学生になってからはほとんど相手をすることがなくなって、
大学生になってから時々母さんとの散歩したり、夜鳴きを慰めたね。
いつも玄関にいる優しい男の子だった。
そんな家族が旅立ってしまった。
姉は2人が世話してくれた時を選んで逝ってくれたんだねと言った。
そうだね、側でお別れできたんだね。
もっと抱きしめればよかったな。
でももうあとは君を見送るだけなんだね。
ありがとう。あなたのおかげで、私がいるよ。
どうか、安らかに。
17:10